蔦の細道は宇津ノ谷越えの古道で、伊勢物語に「駿河なる宇津の山べのうつつにも、夢にも人にあわぬなりけり」と歌われ、平安時代から歩き続けられて来た古街道であり、在原業平、藤原定家、藤原俊成等の多くの歌人が多くの詩を残している。特に「伊勢物語」平安のプレーボーイ・イケメンの「在原業平」の存在なしには語れないと聞いた。

丸子の宿と岡部の宿の間にある宇津ノ谷峠は東海道の難所と云われてきたが、その南側の峠越えが「蔦の細道」で、北側の峠越えが、小田原征伐に秀吉が進軍のために開かれたと云われる旧東海道である。この新しい道が開かれた以降「蔦の細道」は人の往来が少なくなり「やがて忘れ去られていった」と云う。

昭和(左)・平成(右)
のトンネル
峠への案内板
道標・標柱

道標

 道の駅の脇に「蔦の細道」の案内標識がある。人一人が通れる狭い道を少し歩くと小さな奇橋を渡る。昔は蔦が生い茂っていたという。古代の旅人達の苦労が偲ばれる。険しく、木の根と石ころの山道は、それなりに古街道の趣を感じられる所で、草鞋一つの装備で歩くには難儀であった事は容易に想像もできる。


細道の木橋

蔦の細道

木漏れ日
木漏れ日の細道
この地図上の寺社・旧跡、名所等の位置は目安です。
街道地図・現地案内板等で確認してください。
Blowin' in the Wind 2012
                          
いっちゃん東海道を歩く・・(番外編)

古東海道「蔦の細道」を歩く・・

街道歩きでこの古道「蔦の細道」を知り、是非とも歩きたいと思っていた。この度、街道歩きの講師、仲間たちと、丸子側から「蔦の細道」を辿り、古道に残る歌碑に昔を偲び、東海道400年記念で、最近整備されたと言う、岡部の「つたの細道公園」に出て、旧東海道から明治のトンネル、宇津ノ谷集落(お羽織茶屋)を経て、道の駅・宇津ノ谷峠まで戻り、古代の道を歩いてきた。

2012. 8. 9 伊勢物語 古道「蔦の細道」を歩く    
           

多分ここを描いたものではないかと勝手に想像する。同じ坂道でも下り坂が目線の高さの分、急に見える。乾いた木の根、石ころの露出した急坂を10分程下ると、大きな「猫石」に出会える。猫の形ではなく「道に迷った旅人がここで猫の声を聞いて人家が近いことを知った」との話からこの名が付いたと言う。


峠・業平の歌碑
岡部を望む
岡部側の細道
猫石
石畳

細道の石橋

石畳の日を下り切ると木和田川に架かる橋を渡る。ここまでが蔦の細道である。整備された遊歩道を下ると「蔦の細道公園」にたどり着く。

蔦の細道案内板
岡部側
蔦の細道公園
歌碑
兜堰堤(2号堤) 堰堤案内板 羅径記碑 右:旧東海道
左:蔦の細道方面

「蔦の細道公園」は木和田川と遊歩道を組み合わせた親水公園で、明治時代に西洋の技術を取り入れたロックフィルダム工法(巨大積堰堤)で造られた堰堤がある。最上流が8号堰堤で、画像は公園に架かる橋のすぐ下にある2号堰堤である。「姿形」が兜に似ているとかろか「兜堰堤」とも呼ばれている。

遊歩道を少し下ると、右手に登り坂と出逢う、豊臣秀吉が造った旧東海道(大名街道とも呼ばれる)で、街道歩きの時はここを下ってきた。

羅径記跡案内板 旧東海道
明治のトンネル碑
明治のトンネル
(岡部側)
トンネル内部
レンガ造り
あかり

以前の街道歩きで説明を聞いた「延命地蔵尊」「羅径記碑」を後に旧東海道を登る。「羅径記碑」「髭題目碑」を左右に見て、ヒグラシ蝉のなく街道を登ると、アスファルト道に合流、ここを左に曲がり次のT字路を右に進むと「明治のトンネル」に出る。表面がレンガで覆われていて、現在では使われていないが、標高115m、幅約4mの車一台がやっと通れるくらいのトンネルである。当時としては難所であった「宇津ノ谷峠越え」を一気に楽にしたトンネルであったと想像できる。 

明治のトンネル
丸子側
宇津ノ谷集落
馬頭観音

旧東海道・丸子側
大正のトンネル
集落の坂道

トンネルを出ると坂道に建物が並ぶ「宇津ノ谷の宿」に出る。宿の真ん中には徳川家康、徳川慶喜公から拝領した「茶碗」があり。この茶屋の屋号にもなっている豊臣秀吉公から拝領した有名な「羽織」が残され展示されている「お羽織茶屋」がある。

お羽織茶屋
茶屋由来書
玄関軒先の十団子
(お守り)
十団子(お土産) 壁の飾り物 街並

この「お羽織茶屋」の土産が「十団子」であり、その謂れの数珠玉のような「十団子」が玄関下にぶら下げてある。当時の屋号の付いた看板を眺めながら「だらだらの坂道を下り、国道にぶつかるとスタートした道の駅・宇津ノ谷峠である。

蔦の細道でであった花たち(一部)
静岡駅からは宇津野谷峠へは20分おきに路線バスが出ている、日帰りエリアなので機会があれば、また、歩いてみたい道である。



今日のコースは 道の駅・宇津ノ谷峠→蔦の細道→藤原業平歌碑→猫石→木和田川→蔦の細道公園→兜堰堤→延命地蔵尊→旧東海道→羅径碑跡→
  髭題目碑→明治のトンネル
→宇津ノ谷集落(石積道)→お羽織茶屋→旧東海道→道の駅・宇津ノ谷峠

 クラブツーリズム 「テーマのある旅 伊勢物語・蔦の細道」 街道案内人 根津信年 歴史講師

                                                 戻る

峠の標高は210mである。峠まではゆっくり登っても
30分程であった。峠から眺める岡部方面の展望は
素晴らしく通り抜ける風に疲れを忘れる・・
どこか安藤広重の宇津ノ谷の浮世絵に似ているような気もする。
 岡部宇津の山